この記事は療育の作業療法士が解説します。
子どもと遊んでいて「なんか不器用だなぁ」と感じることがありませんか?
- 体の動きがぎこちない
- ダンスがうまく踊れない
- 歩いているときに壁やモノにぶつかる
- マネっこあそびが苦手
このような行動の理由は、ボディイメージが未熟だからかもしれません。
ボディイメージに未熟さがあると、体をスムーズにうごかすのが苦手で、不器用になりがちです。
でも大丈夫!
あそびながらボディイメージを育てられます
- ボディイメージとはなにか
- ボディイメージには感覚面の土台が大切
- あそびの中でボディイメージを育てる方法
- 子どもの不器用さに向き合う時の注意点
できることがふえると、自信がつきますし笑顔もふえます。
ボディイメージを理解し、子どもの不器用さを改善しましょう!
ボディイメージとは
ボディイメージとはからだの輪郭・大きさ・うごきをイメージすること。
たとえば
- せまい場所でも人にぶつからずにすれちがえる
- 足元を見なくても階段をのぼれる
- 目をとじて髪を洗う など
これらは、ボディイメージが順調に発達しているからできる行動です。
自分のからだの大きさが、想像(ボディイメージ)と現実で一致しているので思い通りにうごけます。
- もし実際の体より大きいとイメージしていたら
⇒人とすれ違うとき、必要以上によけてしまう - もし実際の体より小さいとイメージしていたら
⇒人とすれ違うとき、よけたつもりがぶつかってしまう
思い通りに体をうごかすためには、ボディイメージの発達が必要です。
ボディイメージがあいまいだと、日常生活の大変さがふえてしまいます
ボディイメージが未熟だと不器用になる
不器用さの原因のひとつがボディイメージの未熟さです。
体のうごかし方や大きさの認識があいまいだと、ちから加減や姿勢、モノや人との距離感の調節がむずかしくなります。
ボディイメージが未熟な場合にみられる行動
ボディイメージが未熟だとこのような行動がみられます。
- 体の部位と名前がむすびつかない
└「お尻どこ?」と聞くとお腹をさわるなど - 目をつぶると自分の姿勢がわからなくなる
- 空間の左右・上下・方向がわからない
- 体のうごきや道具の使い方がぎこちない
- すぐにころぶ
- 壁やモノにぶつかる
- 手足の動きがぎこちない
- ダンスや体操がにがて
- 自転車にのれない など
このような行動から、パパママが子どもの不器用さに気がつくことも多いです。
自転車の練習を例にボディイメージの未熟さを解説
自転車の練習を例に、ボディイメージが発達している場合と未熟な場合のちがいを説明します。
ボディイメージが発達
・何度も練習すればこげるようになる
自己肯定感がさがらない
ボディイメージが未熟
・手足のうごかし方が分からない
・バランスが取れなくてすぐこける
・何度練習してもこげない
自己肯定がさがる
努力だけではうまくいかなくて、自転車をキライになってしまいす
ボディイメージの発達の流れ
ボディイメージの発達には、安定した感覚の土台が必要です。
子どもは【感覚 ▶ 姿勢やバランス ▶ ボディイメージ ▶ 手先・言葉 ▶ 学習や情緒】の順に発達すると考えられています。
上の図を見ると、ボディイメージの下には「姿勢・バランス」や「5つの感覚」がありますよね。
発達の土台となる「感覚面」が安定しているので、姿勢やボディイメージ、言葉も順調に発達すると考えられています。
感覚の土台とは
感覚には大きく分けて以下3つのグループがあります。
- 五感
- 視覚:見る
- 聴覚:きく
- 嗅覚:におう
- 味覚:あじわう
- 触覚:さわる、さわれる
- 意識しにくい感覚
- 固有受容感覚:力加減、からだの動かし方など
- 前庭感覚:バランス、目のうごきなど
- 内臓の感覚
ボディイメージに大きく影響するのは「触覚・固有受容感覚・前庭感覚」の3つです。
発達の順番は「感覚の土台」から
わたしたちが無意識にいろいろな行動ができるのは、受け取った感覚の刺激の処理がスムーズだから。
感覚刺激をうけると、脳が「どんな感覚だったか」を整理してから体に指令を出します。
たとえば、
(刺激)つまずく⇒(脳)体が倒れる感覚⇒(体)姿勢をもどす
(刺激)大きな音⇒(脳)うるさい⇒(体)耳をふさぐ
「刺激をうける⇒脳が整理する⇒行動の命令をだす」をくり返し、子どもの心と体は発達していきます。
ただし、子どもによっては感覚刺激の整理が上手くできないことも。
すると感覚の土台がデコボコで不安定なピラミッドになってしまいます。
こんな感じです
感覚の土台が不安定なので、そのあと発達するバランスやボディイメージ、言葉の獲得がうまくいかなくなる可能性があります。
つまりボディイメージをそだてるには、ピラミッドの一番下を安定させることが重要なのです。
ピラミッドをつくることを感覚統合とよびます。
感覚統合についてはこちらの記事をお読みください。
ボディイメージを育てるおすすめの遊び
ボディイメージを育てるあそび。
それは、からだ全体をつかっていろんな動きに挑戦することです。
バランス感覚、力加減、体の大きさを知る、モノとの距離感をはかるような遊びをしましょう!
たとえば、トンネルくぐりをするとき。
「これくらいしゃがめば通れるかな?」
「よちよち歩きとハイハイ、どっちにしよう」
「おもったよりトンネルが小さかった!もっとからだを小さくしなきゃ」
からだをトンネルに合わせるために、工夫しながらあそぶ様子がみられます。
ボディイメージがそだってる♪
では具体的な遊びをお伝えしますね。
ボディイメージを育てる公園あそび
公園あそびは走ったりジャンプしたり、思いっきり体を動かすチャンスです。
ボディイメージを高めるのに適した遊具が多いので、晴れた日はぜひ公園へ行きましょう!
- ジャングルジムをのぼる
- けんけんぱ
- 砂場で泥んこあそび
- 飛び石をジャンプ
- 影絵をつくる
アクティブに遊べるのが公園あそびの魅力ですね!
ボディイメージを育てるおうち遊び
ボディイメージを育てる家遊びには、親子で一緒に行う内容がいっぱいあります。
ぜひ、親子のふれあいタイムとしてもご活用ください。
- くすぐりあそび
- マネっこあそび
- 同じ動きをマネしてもらうジェスチャーあそび
- ○○のマネをしてお互いに当てる
- リトミック
- ダンスの動画を見ながら踊る
- みだしなみチェック
- 体に貼ったシールをとってもらう
- 屋内用の遊具であそぶ
- ジャングルジムにのぼる
- トンネルをくぐる
- ボールプール
- もぐる
- かくしたぬいぐるみを探させる
- 服にボールを入れて取らせる
- もぐる
お家遊びで、親子のコミュニケーションもはぐくみましょう。
家用のジャングルジムやトランポリンなどの運動遊具を集めました。
お家遊びの参考にしてください。
子どもの不器用さに向き合う時の注意点
縄跳びができない、ダンスが下手など、子どもの不器用さを見つけると焦ってしまいますよね。
子どもの苦手な遊びや活動を練習するときは、次のことを意識してみてください。
- 子どもがたのしんでいるか、表情や行動を確認する
- スモールステップをわすれずに
子どもは、楽しい!もっとやりたい!できた!という瞬間に心と体が成長します。
「楽しみながら」「遊びながら」を意識して、子どもの成長をサポートしましょう。
ボディイメージについて書かれた本では、作業療法士の木村順先生が書かれた本
すぐにできる遊びがたくさんのっているので、子どもの運動発達が気になる人はぜひ読んでください。
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