この記事は療育の作業療法士が解説します。
- 感覚あそびをするときの注意点って?
- お家であそべる感覚おもちゃを知りたい
- 感覚おもちゃにはどんな効果があるの?
この記事ではこのような疑問を解決します。
家で感覚遊びをするメリットは、ストレスや衝動性の発散、落ち着いて過ごせる、運動能力の発達がいつでもできることです。
- 感覚おもちゃについて
- 感覚あそびをするときの注意点
- お家遊びにおすすめの感覚おもちゃ
療育現場でよくあそぶおもちゃを紹介します
この記事にある感覚おもちゃを使って、子どもに「お家であそぶのたのしい!」と言わせちゃいましょう♪
感覚統合おもちゃってなに?
感覚統合のはたらきには、からだに入ってきた感覚刺激の整理、姿勢や運動のコントロールなどがあります。
そのはたらきをスムーズにするのに必要なのが「感覚統合おもちゃ」。
感覚統合おもちゃを使うと、手触り・バランス・ちから加減といった感覚刺激をとり入れることができます。
ここでは感覚統合において重要な、3つの感覚を刺激するおもちゃを紹介します。
▼感覚統合について詳しくはこちらの記事にまとめています。
おさえておきたい!感覚あそびのポイント
感覚あそびは「苦手なタイプ」と「好きなタイプ」にわかれやすい活動です。
タイプ別に気をつけるポイントがちがいますので、意識して関わりましょう。
感覚あそび苦手タイプへの介入ポイント
あそびの中でこのような様子を見せる子がいます。
- あそびをイヤがっている
- 表情がこわばっている
- 緊張してからだがガチガチ
手や体が汚れることやブランコの揺れなど、特定の感覚遊びが苦手なときにこのような反応をみせます。
感覚遊びが苦手なタイプへ関わるときのポイントは2つ。
- 無理にさせなくてよい
- スモールステップを意識してあそぶ
子どもの様子をよくみながら遊びましょう
スモールステップとは、小さな目標をひとつずつクリアしながら目標へむかう手段のこと。
触覚防衛反応をまとめた記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
どうしようもない不快感「触覚防衛反応」適切な遊びで症状を軽減しよう
興味しんしんタイプへの介入ポイント
感覚あそびが好きな子へ関わるときのポイントは2つです。
- 満足するまで遊ばせる
- 単純な遊びを複雑な遊びへ発展させる
以下に複雑なあそびへの発展例をのせておきます。
【粘土あそびの場合】
・見本とおなじ形にする
・粘土でひらがなを作る など
【ブランコあそびの場合】
・ゆれながら大きいボールをキック
・床の目印にむかってピョンと飛びおりる など
からだを上手く使う遊びに発展させたいですね
ネットで買える感覚統合おもちゃ:触覚編
触覚遊びのおもちゃを選ぶポイントはこちら。
- さらさら、ふわふわ、ベタベタ
いろいろな手触りのおもちゃ - 全身に触れる感覚が入るおもちゃ
手先や体全体から、さまざまな触覚をとりいれていきたいですね。
触覚おもちゃ①スライムキット
スライムは、ベタベタの苦手さを克服しやすいおもちゃです。
なぜなら「作るのも楽しい」から。
自分でスライムをつくると、なにをどんな順番でまぜるかがわかり、スライムへの警戒心がうすれていきます。
だんだん固まっていく変化も面白いですよ。
苦手な子には、スプーンで混ぜたり、袋の外から触ったりしてもらいましょう
触覚おもちゃ②ボーネルンドかんてんネンド
有名玩具メーカーのボーネルンドから発売されている「かんてんネンド」。
小麦粘土のように100均では買えないので、知らない方もいるかもしれません。
汚れるのが苦手な子でも遊びやすい粘土なんです
かんてんネンドには3つの特徴があります。
- ベタつきが少なく手のよごれが気にならない
- やわらかくよく伸びるので、指の力がよわい子もあそべる
- 小麦アレルギーがあっても使える
使いはじめは少しかたいので、手の温度であたためてやわらかくしてください。
▼8色セットもあります。
粘土あそびが大好きな子にはこちらをどうぞ。
触覚おもちゃ③キネティックサンド
「動く砂」でおなじみのキネティックサンド。
98%の純粋な砂+2%の特許技術(シリコン)により、散らかりにくい砂あそびができます。
特徴は、しっとりと少し水気をふくんだ手ざわりなのに不思議と手につきにくいこと。
公園の砂遊びが苦手でも、キネティックサンドならさわれる子もいます。
粘土と砂のいいとこどりの手ざわり
キネティックサンドで触覚あそびをたのしむなら、宝探しがオススメです。
砂の中にビー玉や人形をかくして、子どもにさがしてもらいます。
砂にかくれた指先を動かす練習になりますよ。
触覚おもちゃ④スクイーズ
ギュっと握るとブニュンとのびるスクイーズは、手持ちぶさた対策におすすめです。
低反発のクッションタイプや中に水が入ったタイプなど、本当にたくさんの種類があるスクイーズ。
なかでもイチオシはグレープボール!
握りつぶすとメッシュのすきまからスクイーズが飛び出し、まるでブドウのようになります。
プルプルのゼリーが伸びる感じが気持ちいいですよ。
何かを触りつづけるタイプの子はほぼハマります
触覚おもちゃ⑤触覚ボード
ふわふわ、デコボコ、シャリシャリ。
素材をさわっていろいろな手触りが経験できる「触覚ボード」。
手ざわりのちがいを学ぶことで、触覚の識別系をそだてます。
(識別覚とは、触るだけで形・手触り・大きさなどのちがいが分かる感覚。
触覚過敏へのアプローチにとり入れられています。)
袋にいれて、指定した手ざわりのボードを取り出してもらう遊びがおすすめです。
指先の感覚がとぎ澄まされて、手先の器用さもアップしますよ
同じ素材が2枚入っているので、手ざわりのマッチングあそびも。
手ざわりと言葉(ツルツル、キュッキュなど)を結びつけておぼえるキッカケにもなるおもちゃです。
触覚おもちゃ⑥ボールプール
ボールプールに入ると全身にボールがあたるので、からだの輪郭をイメージする力がそだちます。
からだの輪郭とは、運動の発達に大切なボディイメージのひとつです。
(ボディイメージを発達させる方法はボディイメージを育てて子どもを器用にしようの記事で解説)
ボールプールではこんな遊びをしてみましょう!
- 自分でボールプールの中にもぐる
- 隠されたぬいぐるみを見つけてもらう
- 服の中にボールを入れ、取り出してもらう
いろいろな種類のボールプールがありますが、おすすめは口コミが高評価なMIOのボールプールです。
ボールの別売りが多いなか、こちらのボールプールはなんと200個セット!
コスパがいい!
プールの壁はフランネル素材なのでぶつかっても痛くありませんし、パステルカラーがとってもかわいいですよ。。
ネットで買える感覚統合おもちゃ:前庭感覚編
前庭感覚を楽しめるおもちゃえらびのポイントは4つ。
- ゆれる・回転するおもちゃ
- 足元が不安定でバランスが必要なおもちゃ
- 眼球運動を引き出すおもちゃ
- クルクル回るおもちゃ
バランスをとる必要のあるおもちゃを使って、姿勢をキープする練習をしましょう。
バランスおもちゃ①ジャンプボール
直径45㎝の「ジェコのジャンプボール」は、身長100~120㎝(3~6歳)くらいの子におすすめです。
ポイントは持ち手がついていること。
持ち手のおかげでバランスがとりやすくなり、揺れや不安定な場所が苦手な子でも安心してたのしめます。
ジャンプボールを手に入れたら、以下の遊びをしてみてほしいです。
- すわって前後左右にゆれる
- ビョンビョンとびはねる
- うつぶせ・あおむけに寝て前後左右にゆれる
- 太鼓のようにリズムよくボールをたたく
テレビを見ながらでもあそべますよ
バランスおもちゃ②ブランコ
室内ブランコなら安全性の高い「FUNLIOのブランコ」がオススメです。
持ち手がチェーンではなくロープタイプなので、指をはさみにくいのがポイント。
また、土台の足部分につけられる重り(土のう)もセットなので、強くゆらしてもブランコが倒れるリスクが低いです。
すわる場所の赤色と黄色の安全パーツはとりはずし可能なので、なれたら一人でのれますよ。
10歳ごろまであそべます
もっと揺れをたのしみたい子には、後述の円盤ブランコやハンモックを検討してください。
バランスおもちゃ③円盤ブランコ
円盤ブランコの特徴は、見た目どおりのまるい座面にあります。
持ち手のロープが1本のためグラグラ不安定なので、公園のブランコよりも座りにくいです。
ロープをギュッと握って座るので、バランス感覚はもちろん体幹もきたえられます。
天井に固定具をつけられる家の人や、庭に頑丈な木がある人にピッタリな遊具です。
ブランコ大好きなわんぱくキッズに遊んでほしいな
バランスおもちゃ④ハンモック
あこがれのハンモックも「自立タイプのLifeFair」なら、室内で手軽にユラユラできます。
耐荷重は300キロで、おとな2人がすっぽりおさまるサイズです。
やわらかいハンモックにのるのは意外とむずかしいもの。
タイミングよくピョンと飛びうつらないといけないので、乗り降りのときにもバランス感覚がそだちます。
揺れを怖がる子には、ハンモックの中に毛布を入れてから乗せてみてください。
フワフワの毛布に包まれれながら心地よく揺れを楽しめますよ。
家族みんなの癒しスポットになりそうですね
ネットで買える感覚統合おもちゃ:固有受容感覚編
固有受容感覚をたのしむおもちゃ選びのポイントは3つ。
- ギューっと圧迫感があるおもちゃ
- 全身運動ができるおもちゃ
- つかまる・よじのぼる・ぶらさがるおもちゃ
ちから加減やうごきのコントロールの上達をめざしましょう。
全身運動おもちゃ①トランポリン
ピョンピョンとぶほど全身運動になるトランポリン。
上下のうごきや着地時の足裏への振動には、子どもの頭の中をスッキリさせる効果があります。
勉強や工作などの座る活動の前にぜひジャンプをしてほしいです。
ジャンプの後は集中力がアップします
一軒家などで騒音が気にならない方には、「マーズのトランポリン」がイチオシです。
ゴム製のバネなので指がはさまれる危険が低いですし、子どものジャンプでもよく跳ねます。
また折りたたんでスキマに片付けられるので、遊ばなくなっても部屋のスペースを有効につかえますよ。
マンションなどで騒音が気になる方は「ジャンピングボード」を検討してください。
ジャバラ足のおかげで着地時が静かで、「プシュプシュ」と空気がぬけるような音がする程度です。
わが家はこちらのタイプ。
子どもと一緒にジャンプできますよ。
あまり飛びはねないかな?と思いつつ購入しましたが、10分で汗だくになるくらい楽しめています。
全身運動おもちゃ②ピープル 白いわんぱくジム
4段までのぼれる屋内ジャングルジムは「白いわんぱくジム」だけ。
7種類の組み立て方があるので、子どもがあきずに長く楽しめます。
はじめは3段なれてきたら4段と、子どもにあわせて組み替えられるのがうれしいですね。
ジャングルジムあそびには、子どもの運動発達を伸ばすたくさんの効果があります。
- しがみつくことで体幹が強くなり、姿勢がよくなる
- 手足を交互に動かすことで運動が上手になる
- 人やモノにぶつからずに動けるようになる
体育や運動あそびの苦手さの改善が期待できます!
ピープルのジャングルジムは白色ベースでオシャレなので、SNS映えする写真もとれちゃいますよ。
感覚統合のおもちゃは購入とレンタルを使い分け
大きい遊具で遊ぶことが多い感覚統合。
何個も購入するのは、予算や部屋のスペース上むずかしいときもありますよね。
不要になったときに、いちいち粗大ごみの手配をするのも大変です。
その点レンタルなら、子どもがあきたらすぐ別の遊具に交換できますよ♪
触覚おもちゃは購入、遊具系はレンタルと使い分けている人もいます
サブスクタイプのサービスもあり、つねに目新しい遊具をお得にレンタルできますよ。
レンタルに興味がある方は、室内遊具のレンタルサービス各社の比較の記事を参考にしてください。
まとめ:おもちゃでおうち感覚統合を楽しもう!
感覚統合遊びをお家にも取り入れてみましょう!
遊具系のおもちゃは、購入だけではなくレンタルも検討してみてください。
すぐに家に届きますし、いらなくなったときはカンタンに返却できて便利です。
▼楽天をよく利用する人向き
グッドベビー公式サイトへ
▼コスパよくレンタルしたい人向き
サークルトイズ公式サイトへ
レンタル各社の特徴は、室内遊具はレンタルするのが正解!厳選4社の特徴&比較の記事にまとめています。
子どもの運動面やコミュニケーション面など、子育てに悩んでいませんか?
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子どもの不器用さや苦手さを改善したい人は、ぜひこちらの記事もお読みください。