この記事は療育の作業療法士が解説します。
- 自分の家にスヌーズレンルームは作れる?
- どんなグッズが必要?
このように悩んでいませんか。
自宅にスヌーズレンルームがあると、パニックになりやすい子や感覚あそびが好きな子にとってたくさんのメリットがあります。
この記事では家にスヌーズレンルームをつくりたい人に向け、手本になる部屋やグッズの紹介をします。
- スヌーズレンの説明
- 家にスヌーズレンルームがあるメリット・デメリット
- スヌーズレンルームの見本
- おすすめのグッズ
リラックスできるのはもちろん、パニック状態のときの逃げ場にもなるので、ぜひご自宅にスヌーズレンルームをつくってみてください!
スヌーズレンとは
1970年代にオランダの知的障害者施設ではじまったスヌーズレン。
オランダ語の“スヌーフレン(くんくんにおいを嗅ぐ)”と“ドースレン(うとうと居眠りをする)”からできた造語です。
「自分でたしかめる」「探索する」「ゆったりリラックスできる」という意味をもっています。
障害のある方自身が主役となり、自由に心地よく過ごせる空間・活動場所のことです。
部屋にはふかふかのマットが敷きつめられ、キラキラ光る泡の水そうやライトなどがおいてあります。
病院や支援学校、障害者の施設などに用意されているので、見たことがある方もいるのではないでしょうか。
今は障害のあるなしに関わらず広まっています
自宅スヌーズレンルームの効果
家にスヌーズレンルームをつくるメリットとデメリットをお伝えします。
スヌーズレンを自宅に作るデメリット
お家にスヌーズレンをつくるデメリットはこちらです。
- スヌーズレングッズを置く場所が必要
- 専門店のグッズが高価なので買うのをためらう
スヌーズレンにはうす暗い場所が必要ですが、自宅に用意するのはむずかしいもの。
部屋の一角をパーティション等で区切ったり、遮光カーテン・遮光テントを用意したりする必要があります。
また、スヌーズレン専門店のグッズは1つ10万円くらいするものが多く、なかなか手が出せません。
この記事の後半で、買いもとめやすいグッズをご紹介しますので参考にしてくださいね。
スヌーズレンを自宅に作るメリット
スヌーズレンを自宅に作るメリットはこちらです。
- パニックが起きたときのかけ込み場所になる
- すきな感覚あそびを通して気持ちが落ち着く
- 子どもの様子にあわせた感覚刺激の調節ができる
- 家族全員が利用できて癒される
スヌーズレンルームは、気持ちを落ち着かせたりのんびり過ごしたりする場所として活躍してくれます。
スヌーズレンルームの例
自宅にどのようなスヌーズレンルームが作れるのか。
実際にとり組まれている方や施設の例をみてみましょう!
こちらの方は、実際にご自宅にスヌーズレンルームをつくられています▼
遮光テントの中にお子さんの好きなグッズを置かれており、リラックスして過ごせそうな空間です。
部屋にスヌーズレンルームを作っていく様子はこちらが分かりやすいです▼
上が作業前で、下が作業後のお部屋です。
こちらはスヌーズレンの専用グッズを使用して作られたスヌーズレンルーム▼
スヌーズレンルームのイメージがわきましたか?
それでは、部屋づくりに欠かせないグッズを見ていきましょう!
おすすめのスヌーズレングッズ8選
香り・キラキラとした光・気持ちのよいクッション・感触おもちゃなど。
楽天市場やAmazonで買えるスヌーズレングッズを8点ご紹介します。
ダンボールハウス・遮光テント
BOXPARTNERのダンボールハウスは、プラネタリウムに似たドーム型でまるで秘密基地のよう。
正座が印刷された面を内側にして組み立てることもできるので、真っ白でシンプルなハウスも作れます。
天井にあいた星形の穴から光が入ると、ハウス内が宇宙のような空間に。
やさしい明かりが入り込むダンボールハウスは、スヌーズレン用のスペースとしてもピッタリです。
(サイズ:約130cm×130cm×高さ83cm)
より暗さを追求するのであれば、下の遮光テントを検討してください。
子ども1人が過ごせる広さです。(サイズ:横120㎝×奥行120㎝×高さ190㎝)
内側がシルバーコーティングされているので遮光性が高めとのこと。
ワンタッチ20秒で組み立てられるので、カンタンに薄暗い空間が手に入りますよ。
寝ころがれるスペースがほしい方や大人も使いたい場合は、幅200㎝の3~4人用サイズのテントを選びましょう▼
ひと部屋ぜんぶをスヌーズレン用に使うのはむつかしいですが、遮光テントがあればどこでも好きな場所にスヌーズレンスペースを用意できます。
ファイバーライト
スヌーズレンルームによくある、ファイバーが扇状に広がったライト。
赤・青・緑のLEDが8通り以上の組み合わせでゆっくりと変色していきます。
ファイバーのワシャワシャとした手触りも気持ちがよいので、眺めながら感触あそびも楽しめますよ。
スヌーズレンルームのサブ的なアイテムですが、子ども心を魅了する優秀なグッズですので、1つ用意しておくと楽しさが広がります。
LEDキャンドル3本セット
本物の蝋(ロウ)にLEDのライトがついたキャンドルなら、ヤケドや火事の心配なくリアルな質感が楽しめます。
ろうそくの揺れには気持ちを落ち着け安心感をくれる「1/fゆらぎ」の効果があるので、スヌーズレンにもぴったり。
ロウの香りも心地よいですよ。
電池タイプですが、手元のリモコンで明暗の調節やタイマーの設定ができます。
本物にふれる経験を大切にしている方はぜひ。
生活の木 アロマストーンセット
リラックスできる香りをかぐのもスヌーズレンのひとつです。
生活の木のアロマストーンは子どもが飲み込みにくいサイズなので、安心して使用できますよ。
(ストーンサイズ:W61×D53×H22mm)
オレンジ・ラベンダー・ローズマリーの3つの香りが楽しめますし、調合も可能です。
アロマははじめてで分からない!という方も安心してスタートできるよう、分かりやすい説明書付きなのもポイント。
親子でお気に入りの香りを見つけてくださいね。
感触おもちゃ
ふわふわ・ぷにぷに・ざらざらなど。
さまざまな感触がたのしめるおもちゃは、感覚刺激をもとめる気持ち(センソリーニーズ)を満たしてくれます。
梱包材のプチプチや、モチっとしたスクイーズおもちゃが好きな人って意外と多いですよね。
最近では100均でも感触おもちゃの取り扱いがふえてきました。
子どもにおすすめの感触おもちゃは「感覚統合おもちゃ:触覚編」でも紹介していますので、チェックしてみてください。
ビーズクッション
スヌーズレングッズの専門店でも取り扱われている「Yogibo」と「MOGU」のビーズクッション。
たっぷりのパウダービーズと伸縮性のよい生地で、からだを包み込んでくれてうっとりする気持ちになれます。
すわる、寝転がる、抱きつく。
どのポーズにもフィットするのでリラックス効果はバツグンです。
どちらも取り外しカバー付きのクッションがあり、汚れたときに洗濯ができるので衛生的に使えます。
似た商品ですので、色や見た目などが気に入ったクッションを選んでくださいね。
ここから先は、必須ではないですがあると便利なグッズのご紹介です
アルミミラー
カガミをかべに貼ると、部屋の奥行を広く見せてくれる効果があります。
スヌーズレンルームに割れない「アルミミラー」を取り付けると、空間の幻想的な雰囲気がアップするのでおすすめです。
とはいえ、落ち着いた雰囲気にしたい場合やカベに貼れない場合は設置しなくても大丈夫です。
つけてもよい場合は、ミラーの前にキャンドルやライトを置いてみてください。
ずっと見ていられるほどキレイな空間に仕上がりますよ。
≫貼るタイプのアルミミラーをチェックする
リモコンコンセント
リモコンコンセントとは、手元のリモコンで機器の電源をオンオフできるコンセントのこと。
スヌーズレンルームを出入りするたびに、グッズのスイッチを1つ1つオンオフするのは手間ですよね。
リモコンコンセントがあればオンオフが手元で操作できるので、快適にスヌーズレンを楽しめます。
コンセントをつかうタイプのスヌーズレングッズが増えたときに便利です。
≫リモコンコンセントをチェックする
設置後は子どもといっしょに体験
スヌーズレンルームでは「場の共有」も意識したいところ。
子どもが1人で使ってもよいですが、スヌーズレン目的のときは、なるべくパパママもいっしょに過ごしましょう。
一緒に体験することで、子どもが楽しんでいるか・刺激の調整をした方がよいかを確認できます。
まとめ:自宅にスヌーズレンルームがあると生活が充実する
リラックス効果や感覚あそびへの欲求をみたせるスヌーズレン。
自宅にスヌーズレンルームを設置すれば、パニック時のかけ込み場所としても活用できます。
ぜひ、お家の中に幻想的な癒し空間を作り上げてくださいね!